投稿論文 短報
三尖弁嵌頓を伴う巨大右房腫瘍摘出術の麻酔経験
西藤 智照
1
,
長谷川 麻衣子
,
向原 桂香
,
上村 裕一
1鹿児島大学 大学院医歯学総合研究科先進治療科学専攻生体機能制御学講座侵襲制御学(麻酔蘇生学)
キーワード:
Fentanyl
,
Midazolam
,
Propofol
,
三尖弁
,
心臓外科
,
心臓腫瘍
,
心房
,
全身麻酔
,
リンパ腫-B細胞性
,
経食道心エコー図
,
Remifentanil
,
嵌頓
Keyword:
Anesthesia, General
,
Fentanyl
,
Heart Neoplasms
,
Echocardiography, Transesophageal
,
Midazolam
,
Lymphoma, B-Cell
,
Cardiac Surgical Procedures
,
Heart Atria
,
Tricuspid Valve
,
Propofol
,
Remifentanil
pp.882-884
発行日 2020年8月10日
Published Date 2020/8/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2020373432
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症例は69歳男性で、労作時の息切れが増悪したため近医を受診した。経胸壁心エコー検査では、右房内で2塊に分かれる塊状物を認め、下大静脈流入部に隣接した右房下壁に付着していた。突然死の危険性があるとして緊急手術となった。麻酔導入後、鼠径部を切開したのち大腿静脈から脱血管を挿入し、大腿動脈はただちに確保できる状態とした。経食道心エコー検査上、三尖弁への腫瘍嵌頓によるジェット流を認めたが腫瘍の増悪は認めなかった。三尖弁輪まで壁浸潤を認めたものの、三尖弁形成術は行わず腫瘍摘出のみとなった。人工心肺離脱時からノルアドレナリン0.05μg/kg/min、ドパミン3μg/kg/min、ニトログリセリン0.5μg/kg/minを開始した。特に問題なく手術室を退室し、後日得られた病理診断によってB細胞性悪性リンパ腫であることが判明した。術後2週間後よりR-CHOP療法を4ヵ月間施行し、PET-CT検査で寛解と判断され、現在は経過良好である。
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