投稿論文 短報
頸椎癒合を合併したルビンシュタイン・テイビ症候群患児の麻酔経験
佐伯 彩乃
1
,
中本 志郎
,
小林 喜子
,
多田羅 恒雄
,
廣瀬 宗孝
1兵庫医科大学 麻酔科学・疼痛制御科学講座
キーワード:
Rubinstein-Taybi症候群
,
X線診断
,
吸入麻酔
,
胸鎖関節
,
頸椎
,
骨癒合症
,
気管内挿管法
,
Sevoflurane
Keyword:
Anesthesia, Inhalation
,
Sternoclavicular Joint
,
Synostosis
,
Rubinstein-Taybi Syndrome
,
Intubation, Intratracheal
,
Sevoflurane
,
Radiography
,
Cervical Vertebrae
pp.411-414
発行日 2020年4月10日
Published Date 2020/4/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2020228423
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症例は6歳男児で、急激に増大する右背部腫瘤に対して全身麻酔下、腹臥位での緊急腫瘤生検術が予定された。ルビンシュタイン・テイビ症候群(RTS)患児で、開口は可能であったが、頸部X線写真で胸鎖関節癒合と頸椎C3-6の癒合を認め、可動域は著しく制限されていた。軽度の精神発達遅滞を認めるも通常会話による意思疎通は可能であり、心奇形を含むほかの合併症は認めなかった。前投薬や筋弛緩薬は投与せず、換気不能・気管挿管不能やマスク換気困難にも備えた上で自発呼吸、咽頭・喉頭反射を残した状態での気管挿管を試み、全身麻酔管理を行った。その結果、術中の気道トラブルはなく、手術終了後はスガマデクス投与により問題なく抜管でき、術後に呼吸障害などは認めなかった。
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