投稿論文 短報
シャルコー・マリー・トゥース病患者の心拍動下冠動脈バイパス術の麻酔経験
一瀬 麻紀
1
,
田中 健介
,
沼崎 満子
,
勝田 友絵
,
小澤 美紀子
,
野中 明彦
1公立昭和病院 麻酔科
キーワード:
Charcot-Marie-Tooth病
,
Fentanyl
,
吸入麻酔
,
静脈麻酔
,
全身麻酔
,
Remifentanil
,
Sevoflurane
,
冠状動脈狭窄症
,
非体外循環下冠状動脈バイパス術
Keyword:
Anesthesia, General
,
Anesthesia, Inhalation
,
Anesthesia, Intravenous
,
Fentanyl
,
Remifentanil
,
Sevoflurane
,
Charcot-Marie-Tooth Disease
,
Coronary Artery Bypass, Off-Pump
,
Coronary Stenosis
pp.419-422
発行日 2020年4月10日
Published Date 2020/4/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2020228425
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症例は74歳男性で、冠動脈造影で左前下行枝#7 100%、左回旋枝#11 90%、右冠動脈#1 90%の3枝病変を認め、全身麻酔下での心拍動下冠動脈バイパス術が予定された。遠位筋優位の末梢神経疾患であるシャルコー・マリー・トゥース病患者で、自律神経系異常による低血圧、不整脈がみられることから、筋弛緩薬は短時間作用型かつ拮抗薬のあるロクロニウムを選択し、筋弛緩モニターは皺眉筋に装着した。麻酔導入後より血圧が低下したため、フェニレフリン、ドパミンの持続投与を要し、冠動脈バイパス中はさらにノルアドレナリンを併用して麻酔深度を十分に保ちつつ血圧を維持した。その結果、致死性不整脈や心筋虚血、多量出血を認めることなく順調に経過し、スガマデクス投与後に自発呼吸が出現して開閉眼が可能となり、手術室で安全に抜管できた。
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