投稿論文 短報
精神発達遅滞を伴う自閉症があり、意識下挿管を選択できなかった重度肥満症例の麻酔経験
吉田 圭佑
1
,
大溝 裕史
,
師田 智
,
遠藤 克哉
,
佐藤 優紀
,
金子 敏和
,
渡部 和弘
1温知会会津中央病院 麻酔科
キーワード:
う蝕
,
吸入麻酔
,
自閉症
,
静脈麻酔
,
知的障害
,
全身麻酔
,
気管内挿管法
,
歯科麻酔
,
Remifentanil
,
Sevoflurane
,
肥満症
,
エアウェイ
,
間欠性強制換気
Keyword:
Autistic Disorder
,
Anesthesia, Dental
,
Anesthesia, General
,
Anesthesia, Inhalation
,
Anesthesia, Intravenous
,
Intellectual Disability
,
Intubation, Intratracheal
,
Obesity, Morbid
,
Remifentanil
,
Sevoflurane
,
Dental Caries
pp.427-430
発行日 2020年4月10日
Published Date 2020/4/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2020228427
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例は22歳男性で、多数の齲蝕歯に対して全身麻酔下での歯科処置手術が予定された。自閉症、精神発達遅滞、てんかんの既往歴を有する重度肥満症例で、術前に気道確保困難のリスクが高いと予測されたが、意識下挿管の協力を得ることは困難で、入眠後の気道確保を選択せざるを得なかった。自発呼吸を可及的に温存したセボフルランによる緩徐導入後の末梢静脈路確保、マスク換気を評価した後の静脈麻酔薬投与を予定し、手術前夜のエスタゾラム内服により手術室入室時の妨害行動はなく、円滑な麻酔導入が可能となった。また、外耳道と胸骨の高さを一致させたことで換気状態は改善して術中の循環・呼吸状態は安定し、手術終了後に自発呼吸を確認して抜管したが、気道閉塞パターンはみられなかった。患者の特性を理解して手術前から綿密な麻酔計画を立てることが、安全で円滑な手術の実現につながると考えられた。
Copyright© 2020 KOKUSEIDO CO., LTD. All Rights Reserved.