投稿論文 短報
中間頸神経叢ブロックで頸部リンパ節生検を施行した高度気道狭窄の1症例
日暮 亜矢
1
,
佐藤 大樹
,
伊奈川 岳
1横浜市立市民病院 麻酔科
キーワード:
気道疾患
,
病的狭窄
,
縦隔腫瘍
,
生検
,
リンパ節
,
Dexmedetomidine
,
Levobupivacaine
,
頸神経叢ブロック
Keyword:
Mediastinal Neoplasms
,
Lymph Nodes
,
Levobupivacaine
,
Respiratory Tract Diseases
,
Biopsy
,
Constriction, Pathologic
,
Cervical Plexus Block
,
Dexmedetomidine
pp.415-418
発行日 2020年4月10日
Published Date 2020/4/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2020228424
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症例は72歳女性で、呼吸困難感にて受診した。胸部X線写真、胸部コンピュータ断層撮影では上縦隔の腫瘍(径8cm大)を認め、気管径は腫瘍により50%未満にまで圧排されており、呼吸困難度はヒュー・ジョーンズ分類II度であった。悪性リンパ腫を疑い、転移と思われる左鎖骨上リンパ節生検を予定したが、標的リンパ節は皮膚より2cmの深さに位置し、局所麻酔での手術は困難であり、麻酔科管理での手術を予定した。全身麻酔はハイリスクのため、術者と手術内容や麻酔方法について協議し、自発呼吸を温存できる中間頸神経叢ブロックと呼吸を抑制しないデクスメデトミジンによる鎮静により麻酔管理を行った。全身麻酔に伴う危険を有する患者に対する末梢神経ブロックの有用性が示され、本症例では患者に与える侵襲を最小限にしつつ的確な鎮痛方法を選択できた。
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