投稿論文 短報
皮下での走行異常による硬膜外カテーテル抜去困難な1症例
鴨志田 直子
1
,
平林 剛
,
大鹿 博之
,
齋藤 みなみ
,
寺山 祥子
,
西岡 浩子
,
丸山 晃一
,
安藤 富男
1帝京大学医学部附属溝口病院 麻酔科
キーワード:
Lidocaine
,
硬膜外麻酔
,
帝王切開術
,
産科麻酔
,
機器機能不全
,
カテーテル
Keyword:
Anesthesia, Epidural
,
Anesthesia, Obstetrical
,
Equipment Failure
,
Lidocaine
,
Cesarean Section
,
Catheters
pp.200-203
発行日 2020年2月10日
Published Date 2020/2/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2020182775
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31歳女。予定帝王切開術を脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔で行い、手術終了時から持続硬膜外鎮痛を開始した。術後2日目に産婦人科医からカテーテルの抜去が困難であるとの連絡があり、患者を様々な体位にして抜去を試みたが、カテーテルを引っ張ると皮膚が凸状に盛り上がり、強い抵抗を感じた。カテーテルの走行を確認するためCTを行ったところ、カテーテルは硬膜外腔まで屈曲することなく到達しており、結節や迷入などの所見は認められなかった。この時点で抜去困難の原因は椎弓の骨による圧迫と考えられた。そこで、硬膜外カテーテルから局所麻酔薬を注入し筋緊張を低下させることで抜去する方法を試みた。仰臥位で1.5%リドカイン6mlを硬膜外カテーテルから注入し、初めは抵抗を感じたが、少量注入すると抵抗は急激に減少し、15分後、硬膜外麻酔の効果が十分に得られた時点で抜去することができた。抜去前のCT画像を改めて確認したところ、カテーテルは皮下で屈曲していた。このことから抜去困難の原因は皮下におけるカテーテル屈曲および軟部組織との交絡であると判断した。
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