投稿論文 短報
カテコールアミン誘発性多形性心室頻拍を合併した妊婦に対する帝王切開の麻酔経験
森川 翔
1
,
石山 忠彦
,
玉木 章雅
,
加藤 幸也
,
小口 健史
,
松川 隆
1山梨大学 医学部麻酔科学講座
キーワード:
Bupivacaine
,
Fentanyl
,
硬膜外麻酔
,
脊椎麻酔
,
帝王切開術
,
妊娠合併症-心臓血管系
,
産科麻酔
,
Landiolol
,
頻拍-カテコラミン誘発性多形性心室性
Keyword:
Anesthesia, Epidural
,
Anesthesia, Spinal
,
Anesthesia, Obstetrical
,
Fentanyl
,
Pregnancy Complications, Cardiovascular
,
Bupivacaine
,
Cesarean Section
,
Landiolol
,
Polymorphic Catecholergic Ventricular Tachycardia
pp.885-888
発行日 2020年8月10日
Published Date 2020/8/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2020373433
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例は30歳女性で、母および母の兄弟4名中3名が突然死を起こしていた。また、患者の第1子と第2子が出生後にそれぞれ運動中の心停止・失神発作の既往があり、いずれもカテコールアミン誘発性多形性心室頻拍(CPVT)と診断されていた。今回、妊娠38週3日で来院した。本例についてはCPVTに関して診断がついておらず、既往帝王切開後妊娠の適用により帝王切開が予定された。麻酔法は脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔を選択した。術中の昇圧はフェニレフリンを使用し、心室頻拍出現時の対応として除細動器を待機させた。また、致死性不整脈の予防としてβ遮断薬のランジオロールを胎児娩出後に持続投与する方針とした。ランジオロールの持続投与は術後5時間まで継続し、脊髄くも膜下麻酔の効果消失後も不整脈の出現がないことを確認して終了とした。その後も不整脈は出現なく経過した。術後経過は良好であり、術後5日目に母児ともに退院となった。
Copyright© 2020 KOKUSEIDO CO., LTD. All Rights Reserved.