特集 ペット咬創への初期治療と機能・整容の改善[3]-顔面の組織欠損を伴うイヌ咬創(2)口唇以外-
耳垂を中心とした耳介欠損を伴うイヌ咬創の1例
濱本 有祐
1
,
四ツ柳 高敏
1札幌医科大学 形成外科
キーワード:
イヌ
,
外科的皮膚弁
,
咬傷と刺傷
,
頭部外傷
,
耳介
,
耳形成術
Keyword:
Bites and Stings
,
Surgical Flaps
,
Craniocerebral Trauma
,
Dogs
,
Ear Auricle
pp.387-390
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021212504
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14歳男性。イヌ咬創を主訴とした。飼い犬に咬まれ、咬み切られた耳輪と耳垂を持参して受診した。十分な洗浄を行い、複合組織移植として縫合固定したが、大部分が壊死し、保存治療で二次治癒した。受傷後10ヵ月に耳垂再建を行った。軟部組織による再建のみでは耳垂形態が維持できないと考え、同側から採取した耳甲介軟骨を2枚の局所皮弁で被覆し、耳垂を再建した。耳垂後面を再建する皮弁は、頭側から皮下脂肪を薄く付けて挙上し、後耳介筋より尾側で厚くして後耳介動静脈を皮下茎に含めた。耳介前面を再建する皮弁は、耳垂基部に相当する部分を皮膚茎として、皮下血管網の直下で挙上した。耳介後面の切開線から耳甲介軟骨を採取し、彎曲を修正して耳垂基部に縫合固定し、皮弁で被覆した。術後経過は良好で、満足する耳垂形態が得られた。
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