特集 ペット咬創への初期治療と機能・整容の改善[3]-顔面の組織欠損を伴うイヌ咬創(2)口唇以外-
耳垂を含む耳介の一部に欠損を生じたイヌ咬創の1例
右田 尚
1
,
清川 兼輔
1久留米大学 形成外科・顎顔面外科
キーワード:
イヌ
,
外科的皮膚弁
,
咬傷と刺傷
,
頭部外傷
,
耳介
,
耳形成術
Keyword:
Bites and Stings
,
Surgical Flaps
,
Craniocerebral Trauma
,
Dogs
,
Ear Auricle
pp.391-395
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021212505
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52歳男性。右耳垂欠損を主訴とした。約2ヵ月前に飼い犬に右耳を咬みちぎられ、前医で縫合処置を受けたが、右耳介に部分欠損が生じ、再建目的に当科紹介受診となった。右の耳輪下部から耳垂の外側1/2に欠損を認め、耳介周囲からの局所皮弁による二期的再建術を施行した。初回手術は右耳介前後にフェイスリフトの切開線に準じて、耳垂下部を茎とする2つの局所皮弁を、耳介の前方と後方にデザインした。2つの皮弁を挙上し、欠損部の上半分の前面と後面の再建を行った。初回手術後3週に2回目手術を施行した。手術は2つの皮弁を切り離し、皮弁の茎部の部分で欠損部の下半分、即ち耳垂の欠損部を再建した。術後6ヵ月の現在、健側と左右対称な耳介形態が得られ、採取部の瘢痕も目立っていない。患者も非常に満足している。
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