特集 形成外科「チャンピオン」症例集
小児の耳介・側頭部の色素性母斑に対する"dimensional unit"に分けた遊離全層植皮の1例
伊藤 悠介
1
,
横尾 和久
,
古川 洋志
1大雄会第一病院 形成外科
キーワード:
鼠径部
,
頭皮疾患
,
皮膚移植
,
母斑-色素性
,
耳介
Keyword:
Scalp Dermatoses
,
Nevus, Pigmented
,
Skin Transplantation
,
Groin
,
Ear Auricle
pp.11-15
発行日 2021年1月10日
Published Date 2021/1/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021131234
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症例は1歳10ヵ月男性で、児、左耳介・側頭部黒褐色斑を主訴とした。生下時から左耳介から左側頭部にかけて黒褐色の母斑を認め、Qスイッチ付きルビーレーザーを3回照射するも無効であり、肉眼的所見と臨床経過から先天性色素性母斑と診断した。母斑は耳介前面から側頭部にわたって存在し、周囲の皮膚の多くが有毛部であったため、面(dimension)の曲率により4部位に分けて母斑の部分切除と左鼠径部からの全層植皮術を行った。病理診断は複合母斑であり、術後は特に圧迫療法などは行わなかったが、植皮の生着と耳介の良好なcontourが得られ、4回目の手術後7ヵ月の時点で母斑の再発は認めず、採皮部の瘢痕にも特に肥厚などの問題は生じていない。本症例ではdimensional unitに分けて複数回の切除と遊離全層植皮を行うことで、ほぼ満足する結果が得られた。
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