特集 形成外科「チャンピオン」症例集
Hemifacial dismasking flapと頭蓋骨外板付きpericranial flapにより外鼻の硬性再建を行った1例
森 裕晃
1
,
中川 雅裕
,
石井 義剛
,
伊藤 智之
,
東堂 暢子
,
米沢 みなみ
,
荒木 淳
,
中尾 淳一
1静岡県立静岡がんセンター 再建・形成外科
キーワード:
外科的皮膚弁
,
術後管理
,
術前評価
,
生検
,
腺様囊胞癌
,
X線CT
,
頭蓋骨
,
鼻形成術
,
鼻腫瘍
,
骨皮弁
Keyword:
Skull
,
Surgical Flaps
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Nose Neoplasms
,
Postoperative Care
,
Rhinoplasty
,
Carcinoma, Adenoid Cystic
,
Biopsy
pp.16-21
発行日 2021年1月10日
Published Date 2021/1/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021131235
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症例は30歳女性で、右鼻梁のしこりを主訴とした。CT、MRI検査で右鼻腔前部、右下鼻甲介の外側に鼻骨に跨る粘膜下腫瘤(12×23×15mm)を認め、鼻腔癌(腺様囊胞癌)T2N0M0の診断で腫瘍切除と術後陽子線治療が計画された。右鼻骨と外側鼻軟骨、中鼻甲介、下鼻甲介は合併切除、篩骨洞と上顎洞粘膜は全切除し、鼻涙管の前壁と内側壁の骨を削除して鼻涙管は高位で切離した。移植骨の吸収や腐骨化、感染リスクを抑えるべくhemifacial dismasking flapによる切開法と頭蓋骨外板付きpericranial flapにより外鼻の硬性再建を行った。移植骨弁は速やかに癒合して、術後早期のプレート抜去と鼻骨の修正が可能となり、形態変化や骨弁の吸収を認めることなく良好な整容的結果を得た。本法は繊細な形態造形が求められる外鼻再建に適した材料であると考えられた。
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