投稿論文 症例
広範囲頭蓋骨露出創に対し外板小孔形成の後に植皮術を施行し治癒し得た1例
楊 睿
1
,
倉地 功
,
櫻井 淳
1東京都立大塚病院 形成外科
キーワード:
熱傷
,
人工皮膚
,
穿頭術
,
頭皮疾患
,
瘢痕
,
皮膚移植
,
皮膚潰瘍
Keyword:
Burns
,
Skin Ulcer
,
Scalp Dermatoses
,
Skin, Artificial
,
Skin Transplantation
,
Trephining
,
Cicatrix
pp.462-466
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021212513
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
24歳男性。頭部の熱傷後瘢痕と難治性潰瘍を主訴とした。幼少期に暖炉で左頭部に熱傷を受傷し、保存的治療で一旦、上皮化したが、広範囲の熱傷後瘢痕と繰り返す潰瘍を生じ、当科紹介受診となった。左前頭部から側頭部および頭頂部にかけて15×10cmの広範囲な熱傷後瘢痕を認め、頭頂部に皮膚潰瘍が見られた。瘢痕部位を全切除し、皮膚欠損創に対し遊離広背筋皮弁を用いて再建術を施行した。術後4日に縫合部に血栓が生じ、除去術を行ったが、血流再開に至らなかった。皮弁は壊死し、二期的に植皮術を施行した。初回手術は壊死した皮弁を全切除した後、露出した頭蓋骨外板へ10mm間隔で直径5mmの小孔を多数開け、人工真皮を貼付した。術後3週に良好な肉芽形成を認め、2回目手術として左大腿部より分層植皮術を施行した。植皮弁の生着は良好で、術後2週に完全に上皮化した。術後2年の現在、皮膚潰瘍の再発はなく、日常生活に支障はない。
Copyright© 2021 KOKUSEIDO CO., LTD. All Rights Reserved.