投稿論文 症例
頭部皮膚原発腺様囊胞癌の1例
白石 万紀子
1
,
吉龍 澄子
,
森 清
,
南 宏典
1国立病院機構大阪医療センター 形成外科
キーワード:
人工皮膚
,
鑑別診断
,
腺様囊胞癌
,
頭皮疾患
,
皮膚移植
,
皮膚腫瘍
,
免疫組織化学
,
頭部CT
Keyword:
Skin Neoplasms
,
Scalp Dermatoses
,
Skin, Artificial
,
Skin Transplantation
,
Immunohistochemistry
,
Carcinoma, Adenoid Cystic
,
Diagnosis, Differential
pp.1071-1077
発行日 2020年8月10日
Published Date 2020/8/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2020373446
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81歳女。頭部皮膚腫瘍の再発を主訴とした。原発不明の転移性腺癌として紹介され、左頭頂部に表面平滑な淡紅色結節(16×14mm)を認めたが、全身検索にて他臓器に原発巣を疑う病変は認めず、皮膚原発の腺癌と診断して腫瘍の拡大切除を行った。病理組織学的所見では腫瘍細胞は表皮との連続性はなく、特徴的な篩状構造および管状構造、充実性胞巣を形成して浸潤・増殖しており、好酸性物質を有する腺上皮と筋上皮細胞の2層性管状構造がみられた。また、腫瘍は充実部が主体で神経周囲への浸潤が顕著であり、アルシアンブルー染色では管腔内の好塩基性物質が陽性となる偽腺腔がみられた。皮膚原発の腺様囊胞癌と診断して病理断端陰性を確認し、腫瘍切除3ヵ月後に分層植皮を行った。腫瘍切除後5年経過時点で局所再発および遠隔転移は認めていないが、長期に亘る詳細な経過観察が必要である。
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