投稿論文 症例
診断に苦慮した凝固第VII因子欠乏症の1例
工藤 英樹
1
,
森山 雅人
,
野澤 昌代
1新潟県厚生農業共同組合連合会新潟医療センター 形成外科
キーワード:
プロトロンビン時間
,
血液凝固第VII因子欠乏症
,
再発
,
挫傷
,
指示薬と試薬
,
手外傷
,
出血
,
鑑別診断
,
デブリードマン
,
皮膚移植
Keyword:
Factor VII Deficiency
,
Skin Transplantation
,
Hemorrhage
,
Indicators and Reagents
,
Hand Injuries
,
Prothrombin Time
,
Recurrence
,
Contusions
,
Debridement
,
Diagnosis, Differential
pp.1586-1591
発行日 2020年12月10日
Published Date 2020/12/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021099943
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
95歳男性。転倒して右手掌母指球部の挫創を受傷し、出血が止まらず、受傷後3日に当科へ受診となった。所見では右手掌母指球に長さ1.5cmで、筋肉に至らない皮下に限局した挫傷および持続的な出血が認められた。局所麻酔下に双極電気メスで止血し、4-0ナイロン糸で縫合したが、縫合後11日目に創のし開と出血を認めたため同様に止血を行い、3-0ナイロン糸で再縫合した。だが、その後も止血に難渋し、最後の止血操作後から15日目に入院し、精査で凝固第VII因子欠乏症と診断された。最終的に輸血を開始し、血腫除去とデブリーマン、全層植皮術を行い、創閉鎖と止血が得られ、入院後102日目に退院となった。目下、退院後1年経過で創部に異常はみられていない。
Copyright© 2020 KOKUSEIDO CO., LTD. All Rights Reserved.