投稿論文 症例
ニボルマブの副作用として横紋筋融解症と顔面神経麻痺を呈した1例
中川 舞
1
,
庄野 佳孝
,
橋本 一郎
1松山赤十字病院 形成外科
キーワード:
横紋筋融解症
,
顔面神経疾患
,
顔面麻痺
,
黒色腫
,
踵部
,
生検
,
皮膚疾患-足部
,
皮膚腫瘍
,
アジュバント化学療法
,
Nivolumab
Keyword:
Facial Nerve Diseases
,
Foot Dermatoses
,
Facial Paralysis
,
Skin Neoplasms
,
Rhabdomyolysis
,
Melanoma
,
Chemotherapy, Adjuvant
,
Heel
,
Nivolumab
,
Biopsy
pp.1592-1600
発行日 2020年12月10日
Published Date 2020/12/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021099944
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
70歳男性。2年ほど前からの左踵部の黒色斑を主訴に近医の皮膚科を受診後、当院へ紹介となった。初診時、左踵部に30×25mm、左内果に7×6mmの境界不明瞭な黒色斑が認められた。生検での組織検査によりIn-transit転移を伴う悪性黒色腫と診断され、腫瘍切除、内側足底皮弁と分層植皮術による再建が行なわれた。だが、術後5ヵ月で左内果に19×14mmの境界不明瞭で、わずかに黒色調が透見される皮下硬結が生じ、In-transit転移と考え、切除と全層植皮が行なわれた。以後も術後9ヵ月で左鼠径部、大腿内側、膝窩部、下腿植皮頭側に皮下硬結が生じ、切除すると共に術中迅速病理検査を行った結果、悪性黒色腫のリンパ節転移と診断されたため、左鼠径リンパ節郭清術、皮下結節の切除が行なわれた。術後、ニボルマブ投与を開始するも、横紋筋融解症と顔面神経麻痺を呈したことから一時的にニボルマブを中止し、輸液による治療で横紋筋融解症と顔面神経麻痺の改善後、再びニボルマブの投与が行なわれたが、投与再開後6ヵ月時点で下腿と大腿内側に転移を認め、目下は追加治療を検討中である。
Copyright© 2020 KOKUSEIDO CO., LTD. All Rights Reserved.