投稿論文 原著
Minimal cheek flapによる癌切除後の下眼瞼全層欠損の再建
吉龍 澄子
1
,
白石 万紀子
1国立病院機構大阪医療センター 形成外科
キーワード:
眼瞼腫瘍
,
基底細胞癌
,
外科的皮膚弁
,
生検
,
皮膚腫瘍
,
頬
,
眼瞼形成術
Keyword:
Carcinoma, Basal Cell
,
Eyelid Neoplasms
,
Skin Neoplasms
,
Surgical Flaps
,
Biopsy
,
Cheek
,
Blepharoplasty
pp.605-613
発行日 2020年5月10日
Published Date 2020/5/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2020276492
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
瞼裂幅の約1/2より大きく2/3未満の下眼瞼全層欠損に対する再建方法として考案したminimal cheek flapについて報告した。本法は下眼瞼の外側靱帯を切離し、外眼角からの弧状の小皮弁を作製する点でsemicircular flapに近い方法であるが、頬部回転皮弁に比べて眼輪筋への侵襲が少なく、眼輪筋機能が十分に保持されるほか、外眼角部の固定の工夫などにより長期的に下眼瞼の下垂変形が予防できる。また、皮膚縫合線がシワの方向に平行で短く目立たないことや、外側部の瞼縁部位が硬口蓋粘膜により整容的に再建され、睫毛欠損部が外側に来ることから、整容的にも優れた方法と考えられた。さらに、癌切除後の下眼瞼全層欠損3例に対して本法を施行した結果、術後1年10ヵ月~3年7ヵ月の観察期間において再発、下眼瞼の下垂や外反などは認めず、機能的にも整容的にも極めて良好な結果であった。
Copyright© 2020 KOKUSEIDO CO., LTD. All Rights Reserved.