投稿論文 原著
術後血腫予防に塩酸パパベリンを用いる有用性について
水村 奈央
1
,
大島 直也
,
大河内 裕美
,
塩川 一郎
,
百澤 明
1山梨大学医学部附属病院 形成外科
キーワード:
Papaverine
,
血腫
,
術後合併症
,
性別違和
,
乳房切除術
,
失血-外科
,
生理食塩水
,
手術時間
Keyword:
Gender Dysphoria
,
Mastectomy
,
Blood Loss, Surgical
,
Papaverine
,
Saline Solution
,
Postoperative Complications
,
Hematoma
,
Operative Time
pp.601-604
発行日 2020年5月10日
Published Date 2020/5/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2020276491
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Female to male性同一性障害に対する乳房切除術122例244乳房を対象として、塩酸パパベリン生理食塩水を用いた術後血腫予防対策法の有用性を検証した。術中昇圧後、片側につき塩酸パパベリン40mgを生理食塩水50mlで希釈した塩酸パパベリン生理食塩溶解液を創内に塗布し、そのまま5分間浸透させて血管の十分な攣縮解除を図った後、さらに止血を確認した12例13乳房(塩酸パパベリン使用群)と、使用しなかった80例160乳房(非使用群)における術後血腫発生数、手術時間、出血量を比較した。その結果、塩酸パパベリン使用群では非使用群よりも手術時間が有意に長かったが、血腫発生率は有意に少なく、出血量に有意差は認めなかった。
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