投稿論文 経験
当科における乳児血管腫に対するプロプラノロール内服療法の検討
福井 充香
1
,
覚道 奈津子
,
植田 有子
,
森本 尚樹
,
日原 正勝
,
益岡 弘
,
楠本 健司
1関西医科大学 形成外科学講座
キーワード:
Propranolol
,
血管腫
,
経口投与
,
入院期間
,
治療成績
,
拡散MRI
,
レーザー療法
Keyword:
Treatment Outcome
,
Administration, Oral
,
Length of Stay
,
Hemangioma
,
Propranolol
,
Diffusion Magnetic Resonance Imaging
,
Laser Therapy
pp.615-623
発行日 2020年5月10日
Published Date 2020/5/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2020276493
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プロプラノール内服療法を行った乳児血管腫(IH)12症例(男児3例、女児9例)について検討した。発生部位は顔面8例、体幹3例、四肢1例で、大きさは1cm2未満6例、1cm2以上25cm2未満5例であり、型別では腫瘤型6例、局面型3例、皮下型1例、局面+皮下型2例であった。内服開始年齢は平均生後3.7ヵ月で、内服理由は機能障害(視野障害)1例、整容8例、急速増大3例であり、導入時の入院期間は平均4.5日、治療完了例の内服期間は平均12.4ヵ月で、レーザー併用は6例であった。全例、副作用を認めることなくIHの退色と縮小が得られ、総合的評価は12症例中11例(91.7%)がgood以上であった。プロプラノール内服療法は有効かつ安全性が高く、特に機能障害や目立つ瘢痕が危惧される眼瞼や皮下型・腫瘤型の症例には有用と考えられた。
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