特集 CQ&図解で学ぶ 生殖医療の基礎講座
Ⅶ 着床前遺伝学的検査(PGT)
CQ 34 PGTの種類は?
澤井 英明
1
1兵庫医科大学大学院看護学研究科
pp.1397-1408
発行日 2025年11月30日
Published Date 2025/11/30
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003644
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A
▶着床前遺伝学的検査(PGT)は,標準的にはPGT-M(重篤な遺伝性疾患を対象とした着床前遺伝学的検査)・PGT-SR(着床前胚染色体構造異常検査)・PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)の3つに分類される。
▶日本では日本産科婦人科学会の指針のもと,PGT-Mは「重篤な遺伝性疾患」,PGT-A/PGT-SRは「不妊症・不育症」を対象に,施設認定・倫理審査・遺伝カウンセリング・症例登録を必須として実施されている。
▶標準的な実施方法は胚盤胞期(Day 5~7)に栄養外胚葉(TE)生検→全ゲノム増幅(WGA)→次世代シーケンサー(NGS)などの解析となる。PGT-Mでは変異直接検出+連鎖解析,PGT-SR/PGT-AではCNV解析が中心となる。
▶PGT-Aについては国際的な評価はおおむね慎重で,PGT-Aを全患者に一律に実施することの有用性は証明されていない。一方で着床率の上昇や流産率の低下など特定の目的・背景での有用性はおおむね合意されていて,モザイク胚の条件付き移植に関する指針も示されている。

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