特集 産婦人科の未来予想図―これから必要な技術,資格について
各論
8.生殖医療の先端技術:妊孕性温存療法
高江 正道
1
,
鈴木 直
1
S. Takae
1
,
N. Suzuki
1
1聖マリアンナ医科大学産婦人科学
pp.913-920
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003516
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妊孕性温存療法は生殖医療の一領域であり,近年普及の一途をたどっている。通常の不妊治療と異なり,基礎疾患を有することや意思決定までに期限があることなどの違いがあり,担当する医師は限られた時間のなかで患者の卵巣不全のリスク評価と意思決定支援をしなければならない。また,卵巣組織凍結・移植のように通常の不妊治療では実施することのない医療技術も存在し,科学的にも解決すべき様々な論点が残されている点でも非常に興味深い。現在,若年者が悪性疾患を患った場合には妊孕性温存を検討することが一般的になりつつあり,今後は本医療に関する知識を習得する必要性があると考えられる。

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