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第1土曜特集 小児・AYAがんの最前線
小児・AYAがんの妊孕性温存
Fertility preservation for childhood and AYA cancer patients
中村 健太郎
1
,
鈴木 直
1
Kentaro NAKAMURA
1
,
Nao SUZUKI
1
1聖マリアンナ医科大学産婦人科学
キーワード:
がん・生殖医療
,
妊孕性温存
,
小児・AYA(思春期・若年成人)世代
Keyword:
がん・生殖医療
,
妊孕性温存
,
小児・AYA(思春期・若年成人)世代
pp.117-123
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28001117
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近年,がん患者への治療の進歩により,がんサバイバーが増加している.一方で,がん治療による妊孕性低下や消失が,がん克服後の患者QOL(quality of life)低下につながるため,その対策として妊孕性温存療法が世界中で普及しつつある.妊孕性温存療法には,女性では胚(受精卵)凍結,卵子(未受精卵)凍結などがあり,男性では精子凍結が選択される.また,研究段階の方法として卵巣組織凍結があり,主に小児患者や原疾患の治療開始までの時間的猶予がない患者で選択されている.卵巣組織凍結は各国で症例の蓄積が進んでおり,わが国においては研究段階の方法という立ち位置であるが,国によっては確立された方法という見解に変化している.そして男性においても精巣組織凍結が考案されているが,凍結後の対応については確立された方法はない.今後,さらなる技術の発展が期待される.
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