特集 産婦人科の未来予想図―これから必要な技術,資格について
各論
7.生殖医療の先端技術:着床前遺伝学的検査
泉 玄太郎
1
G. Izumi
1
1東京大学医学部附属病院女性外科(講師)
pp.907-911
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003514
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着床前遺伝学的検査(PGT)は,体外受精胚を生検し,染色体や遺伝子異常を検出する技術である。PGT-Aは反復着床不全や反復流産において妊娠転帰の改善に寄与することが報告されている。また,高齢で獲得胚が多い場合には,移植胚選択のために行うことが有効である可能性も報告されている。PGT-SRは均衡型転座や逆位などの染色体構造異常を保因する夫婦を対象とし,不均衡胚を除外することで流産率低下や出生率改善が期待される。PGT-Mは重篤な単一遺伝子疾患を保因する夫婦において発症胚の移植を回避する目的で行われる。今後も,生検技術や,検査技術の進歩によって,より低侵襲で正確な検査となることが期待されている。

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