特集 発展する子宮鏡Ⅰ―レゼクトスコープ手術の神髄
子宮鏡手術
6.子宮内腔癒着症(アッシャーマン症候群)に対する子宮鏡手術
久須美 真紀
1
M. Kusumi
1
1山王病院リプロダクション・婦人科内視鏡治療センター(センター長)
pp.491-496
発行日 2025年5月1日
Published Date 2025/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003391
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アッシャーマン症候群(AS)は,子宮内膜の菲薄化と子宮内癒着を特徴とし,不妊や月経異常の原因となる。診断には問診,経腟超音波,3D超音波,子宮鏡が有用であり,確定診断には子宮鏡が必要である。治療は子宮鏡下癒着剝離術(TCR)が基本であり,術後の再癒着防止が重要となる。Foleyカテーテルを用いた内腔拡張を行い,電気デバイスやハサミ鉗子を使用して癒着を解除する。術後管理として,子宮内避妊具(IUD)の挿入やホルモン療法を実施し,頻回の子宮鏡検査で再癒着を防ぐ。妊娠率は27~47%とされ,重症例では低下する。術後に妊娠した場合,癒着胎盤や流産のリスクが高まるため,慎重な周産期管理が求められる。適切な診断と手術技術,そして術後管理が予後を左右する。

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