原著
子宮腔癒着症
山口 龍二
1
,
永井 宏
2
,
吉田 威
3
Ryuji Yamaguchi
1
,
Hiroshi Nagai
2
,
Takeshi Yoshida
3
1奈良県立医大産婦人科学教室
2永井病院
3東北大学医学部産婦人科学教室
pp.389-394
発行日 1974年5月10日
Published Date 1974/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205041
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外傷性子宮腔癒着症Synechia uteri traumaticaについては古くFritsch8)(1894)が掻爬後無月経となつた症例の報告にはじまる。しかし本症の発生機転および病像が明らかになつたのはAsherman1,2)(1948,1950)がこれをAmenorrhoea traumatica,ついでtraumaticintra-uterine adhesinとして報告してからであり,以後本症については多くの報告が見られる。しかしながら子宮腔癒着症のすべてが外傷性のものではないことも注意すべきで,事実結核性の子宮腔癒着もかなり多いものである。不妊症の診療に当つて,子宮腔癒着症全般にわたつて知識を整理しておくことは,外傷性癒着が日常診療の対象になつている現在,われわれにとつて決して無意味なことではない。そこでわれわれは子宮卵管造影法(HSG)の面から外傷性のものを中心に分類,検討を行ない,その病像について考察を加えてみたのでその成績について報告する。
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