特集 産婦人科医が知っておくべき疼痛管理のコツ
Ⅰ.麻酔方法
2.脊髄くも膜下麻酔―あなたも簡単にできる⁈「口麻酔」―
狩谷 伸享
1
N. Kariya
1
1兵庫医科大学麻酔科学講座(教授)
pp.231-238
発行日 2025年3月1日
Published Date 2025/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003324
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脊髄くも膜下麻酔(脊麻)は,帝王切開において特に効果的な麻酔法である。最大の魅力は,手技がシンプルで効果発現が迅速な点である。標準的なプロトコルを守り,丁寧な実施を心がけることで確実な麻酔が保証される。本稿では脊麻の成功の作戦の1つとしての妊婦への安心感を与える「口麻酔」の活用を推奨する。
適切な体位(座位)での穿刺,超音波を利用した事前スキャン,輸液管理の工夫が安全性と確実性をさらに高める。交感神経遮断に伴う低血圧への対応では,手術室での細胞外液の全開投与と昇圧薬の予防的投与が鍵を握るだろう。特定のケースでは麻酔科医のサポートを積極的に依頼することで,母体と胎児の安全を高めよう。

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