徹底分析シリーズ 脊髄くも膜下麻酔の謎に迫る
日本の麻酔科医は,なぜ脊髄くも膜下麻酔が嫌いなのか
高崎 眞弓
1
Mayumi TAKASAKI
1
1宮崎大学医学部附属病院
pp.112-114
発行日 2008年2月1日
Published Date 2008/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100023
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日本の麻酔科医は硬膜外麻酔が好きで,全麻酔症例の1/3に利用しているが,なぜか脊髄くも膜下麻酔を毛嫌いする。なかには,まったく利用しない麻酔科医もいる。すばらしい切れ味の脊髄くも膜下麻酔を,なぜ利用しないのであろうか。脊髄くも膜下麻酔は,外科医がよく利用する麻酔だからであろうか。確かに脊髄くも膜下麻酔の上手な外科医はいるが,麻酔科医ならばそれを上回る高品質な麻酔を提供できるのではないか。
脊髄くも膜下麻酔を行うと,低血圧や徐脈が現れる。これらの副作用で1度痛い目にあうと敬遠しがちになるが,今の技術でこれらの副作用は克服できる。局所麻酔薬のくも膜下1回投与で狙い通りの麻酔レベルを獲得するには,かなりの技術がいる。硬膜外麻酔よりむずかしい。だからこそ麻酔科医が行うべきもの。むずかしいからこそ腕を磨く楽しさがある。
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