今月の臨床 胎盤・臍帯・羊水異常の徹底理解―病態から診断・治療まで
羊水
羊水過少に対する羊水注入―重症FGRの救命,後遺症のない生存を目指して
高橋 雄一郎
1
1岐阜県総合医療センター胎児診療科・産科
pp.1045-1054
発行日 2020年10月10日
Published Date 2020/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409210165
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●人工羊水注入療法を受けて出生された重症FGRのお子さんが成人され,無事出産されたことは画期的なことで,おそらく今まで報告はないと思われる.
●FGRにおける静脈管の逆流は他の下大静脈血流,臍帯静脈の異常も同時に満たすと胎児アシドーシスと関連が高く近々の胎児死亡のハイリスクであると報告されている5)が,一部の症例では一過性の所見である可能性が証明された.
●教科書,エビデンスに則った医療を展開をすることは基本であるが,最重症例の管理では,それのみでは解決しえない状況に対応しなくてはならず,新しい研究,治療にチャレンジする姿勢も必要となる.
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