症例
卵巣癌治療により僧帽弁の疣贅が消失した非細菌性血栓性心内膜炎の1例―非細菌性血栓性心内膜炎の治療方針についての検討―
峰松 麻里
1
,
宮川 孝
1
,
松室 友梨
2
,
夏秋 伸平
1
,
廣田 智子
1
,
福島 愛
1
,
江田 理薫子
1
,
齋藤 もとみ
1
,
大西 義孝
1
M. Minematsu
1
,
T. Miyakawa
1
,
Y. Matsumuro
2
,
S. Natsuaki
1
,
T. Hirota
1
,
A. Fukushima
1
,
R. Kohda
1
,
M. Saitoh
1
,
Y. Onishi
1
1福岡徳洲会病院産婦人科
2福岡徳洲会病院循環器内科
pp.1726-1732
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003256
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症例は58歳,女性,頭痛・ふらつきを主訴に近医脳神経外科を受診,多発性脳梗塞と診断された。その後も脳梗塞症状を繰り返し,経胸壁・経食道心エコーにて僧帽弁に8mmの疣贅を認めた。骨盤内に卵巣腫瘍を認め,非細菌性血栓性心内膜炎(NBTE)と診断し,腹式単純子宮全摘術および両側付属器摘出術を施行した。術後,僧帽弁の疣贅は消失した。心臓に疣贅を認める多発性全身塞栓発症例では,悪性腫瘍や自己免疫疾患の検索を行い,NBTEの診断がつき次第できるだけ速やかに原疾患の治療に移行することが重要といえる。
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