Japanese
English
ジュニアコース
細菌性心内膜炎
Bacterial Endocarditis
勝 正孝
1
,
島田 佐仲
1
,
本田 克二
1
Masataka Katsu
1
,
Sachū Shimada
1
,
Katsuji Honda
1
1川崎市立川崎病院内科
1Dept. of Int. Med., Kawasaki City Hospital
pp.741-747
発行日 1973年8月15日
Published Date 1973/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202524
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1910年Schottmullerは原因菌がStrep. viridans(緑連菌)による,経過が比較的慢性で特異な病状を呈する敗血症性心内膜炎を遷延性心内膜炎Endocarditis Le—ntaと命名した。しかしその約半年後に,Libman &Cellerは本症の原因菌としてはStrep. viridans以外にも種々の病原体が証明されることから,原因菌が緑連菌に限らぬことを強調し,本症を亜急性細菌性心内膜炎Subacute Bacterial Endocarditis (SBE)の名称で報告し,現在ではSBEの病名が多用されるようになっている。
SBEは経過2〜3ヵ月以上といわれ,原因菌としても弱毒性の緑連菌が大部分を占めているが,数日から数週間以内の,急激,重篤な経過を示すものを急性細菌性心内膜炎,Acute Bacterial Endocarditis (ABE)と呼び,この二つの疾患は従来,別個に取り扱われてきた。ABEは原因菌のほとんどがブドウ球菌あるいは肺炎球菌で,弁膜に対する侵襲も激烈で,また正常の弁膜を侵す頻度をきわめて高いとされている。しかし最近ではSBEでも緑連菌以外のブドウ球菌,腸球菌等によるものが増加し,それらは正常の弁膜も侵す傾向がある。したがってABEとSBEはその区別が判然としない例も多くなりつつある。
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