臨時増刊特集 診断基準とその使い方
I.循環器疾患
細菌性心内膜炎
窪倉 武雄
1
1東女医大・心臓血圧研究所,内科
pp.1678-1681
発行日 1977年12月5日
Published Date 1977/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207480
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はじめに
細菌性心内膜炎(BE)は敗血症症候群の一つであるが,ほとんどの症例が基礎心疾患を有し,障害された心弁膜その他の心血管構造の上に感染巣を有するため,循環器系の感染症として一疾患単位として扱われる.有効な化学療法の台頭にもかかわらず,発生頻度,致命率に減少傾向がみられず,循環器疾患の難題の一つである.予防と早期診断が肝要である.またBEはhost,parasiteの相互条件の差違に基づく多彩な症候はもとより,診断手段,治療,経過,予後が各症例により必ずしも軌を一にしない.したがって,BEの診断は早期診断へのアプローチと,各症例に相応した「体系的診断」への配慮が望まれる.本稿では,諸文献および東女医大・心臓血圧研究所の資料をもとに述べる.
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