文献抄録
非細菌性前立腺炎の前立腺分泌液中の白血球
pp.573
発行日 1979年6月20日
Published Date 1979/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202765
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いわゆるProstatosisといわれる愁訴は定義が難しい。前立腺に原因細菌が検出されなくとも患者の疼痛,刺激症状の訴えで診断を下されることが多い.従来泌尿器科医は前立腺分泌液中の白血球数を目安に前立腺炎症の有無を決定しているが,細菌性前立腺炎では白血球は無数に検出されるが,非細菌性の場合には不定である。そこで著者らは前立腺炎の診断指標として白血球の数と細胞型について検討を加えた。検査対象は前立腺に関する訴えのある43例で,16歳から75歳,平均年齢39歳である。またcontrolに20名の健康者を選んだ。患者の愁訴程度を3段階に分け,訴えの強度と1日中の症状出現回数を目安に,1点から3点を与えることとし,訴える症状としては疼痛,刺激性排尿,排尿困難を取り上げて,患者の症状に応じて点数で表現した。尿と前立腺液中の細菌検査法はMearesandStamey法に従つて,初発尿(VB1),中間尿(VB2)前立腺液(EPS)について培養を行なつた。前立腺液中の白血球数計算に稀釈法を行なつた。結果について見ると,症状で5点以上は疼痛28例(70%),刺激性排尿15例(37.50%),排尿困難4例(10%)であつた。
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