特集 前立腺疾患のすべて
Ⅴ 前立腺疾患のトピックス
非細菌性前立腺炎の診断と治療
津江 裕昭
1
,
田中 正利
1
,
内藤 誠二
1
Hiroaki Tsunoe
1
,
Masatoshi Tanaka
1
,
Seiji Naito
1
1九州大学大学院医学研究院泌尿器科学
pp.360-365
発行日 2003年4月5日
Published Date 2003/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100883
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1 はじめに
慢性前立腺炎の病態はきわめて複雑であり,診断,治療に難渋することも少なくない。米国では過剰な抗菌薬の投与が医療経済上問題になっていることもあって,NIH(国立衛生研究所)が中心になり,前立腺炎について再検討する機運が高まり,1999年に前立腺炎の新しい分類,The NIH prostatitis classification systemが提唱され(表1),またNIH chronic prostatitis symptom index(NIH-CPSI)が導入された1)。
慢性前立腺炎については現在いくつかの病因論が展開されており,検査所見を基礎としたNIHの分類は,病因論に立つとその境界が不明瞭となり,今後,前立腺炎の分類に関しては再検討が必要になる可能性があると思われる。非細菌性前立腺炎の診断と治療に関してもそれぞれの病因論の立場からさまざまな試みがなされている。
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