特集 産婦人科医が知っておくべき新生児マススクリーニング
各論
12.副腎白質ジストロフィー
下澤 伸行
1
N. Shimozawa
1
1岐阜大学高等研究院科学研究基盤センターゲノム研究分野
pp.735-741
発行日 2024年7月1日
Published Date 2024/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003022
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指定難病である副腎白質ジストロフィー(ALD)は副腎不全と中枢神経系の脱髄を特徴とするX連鎖性遺伝性疾患で,男性患者では小児から成人に極めて重篤な経過を示す大脳型を発症する。唯一の治療法は造血幹細胞移植で,発症前に診断して早期に介入することにより発症阻止も期待される。そのため米国では新生児マススクリーニングがすでに開始され,欧州や台湾,日本にも広がりつつある。一方で,発症予測の難しさや家系内解析を含めた遺伝カウンセリング,病原性の判断が難しいバリアントの存在など様々な課題も指摘されている。本稿では,実際に産婦人科医療機関で保護者に本症の新生児マススクリーニング検査を説明する際の意義やポイントも含めて解説する。
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