Japanese
English
神経疾患アトラス5
異染性白質ジストロフィー
Metachromatic Leukodystrophy
鴨下 重彦
1
,
水野 美彦
1
Shigehiko Kamoshita
1
,
Yoshihiko Mizuno
1
1東京大学医学部小児科
1Department of Pediatrics University of Tokyo
pp.1123-1127
発行日 1973年9月1日
Published Date 1973/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203368
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異染性白質ジストロフィー(以下MLDと略)は,cerebroside sulfatase (arylsulfatase A)の遺伝的欠損により,組織にsulfatide (第9図)の異常蓄積をきたすsphingolipidosisである。病理学的には,中枢および末梢神経系の広汎な脱髄性病変をもって特徴とされ,汎発性硬化症一型としても分類される。
最近までの研究の結果,本症には発病年令や病像の違いにより,第1表の如き4型が知られている。このうちでは幼児型late infantile formが最も多く,わが国でも既に20例以上の報告があり,又成人型adult formも数例の剖検例が知られている。若年型juvenile formは恐らくここに述べるものが本邦初例であろう。特殊型と称するものは,Austin (1963)によって切めて注目された,MLDの症状のほかに,Hurler様顔貌を有し,ムコ多糖類の蓄積を併せもつもので,世界の報告も未だ10家系に充たない。
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