特集 神経疾患の現在とこれから
研究の最前線
副腎白質ジストロフィーの造血幹細胞移植治療
松川 敬志
1
1東京大学大学院医学系研究科分子神経
キーワード:
副腎白質ジストロフィー
,
造血幹細胞移植
,
遺伝子治療
,
ABCD1
Keyword:
副腎白質ジストロフィー
,
造血幹細胞移植
,
遺伝子治療
,
ABCD1
pp.1321-1324
発行日 2019年6月1日
Published Date 2019/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika123_1321
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Summary
▪副腎白質ジストロフィー(ALD)はABCD1を原因遺伝子とするX連鎖性の神経変性疾患であり,副腎不全を伴うことがある.
▪小児大脳型,思春期大脳型,成人大脳型,小脳・脳幹型,副腎脊髄ニューロパチー,Addison単独型など多彩な表現型を呈するが,同一家系内でも異なる表現型を呈することがある.
▪血中の極長鎖脂肪酸の増加を認める.
▪大脳白質において炎症性脱髄を呈する小児大脳型の発症早期において,造血幹細胞移植が症状の進行停止に有効である.成人大脳型においても造血幹細胞移植が症状の進行停止に有効であったとの報告がある.
▪HLA適合ドナーが得られなかった小児大脳型ALD症例において,遺伝子治療が症状の進行停止に有効であったとの報告がある.
© Nankodo Co., Ltd., 2019