特集 産婦人科医が知っておくべき新生児マススクリーニング
各論
9.ポンペ病
石垣 景子
1
K. Ishigaki
1
1東京女子医科大学医学部小児科
pp.717-722
発行日 2024年7月1日
Published Date 2024/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003019
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ポンペ(Pompe)病は,ライソゾーム酵素である酸性α-グルコシダーゼの先天的な活性低下・欠損により,ライソゾーム内にグリコーゲン蓄積を生じ,心筋,骨格筋,肝臓などの多臓器障害をきたす疾患である。日本における発症率は約3.4万~3.7万人に1人と推定される希少疾病ではあるが,2007年に酵素補充療法が承認され,早期治療例ほど予後がよいことが報告されてから,その早期診断の重要性が注目されるようになった。特に重症型の乳児型は,生後数カ月で発症後に急激に肥大型心筋症,呼吸不全が進行し,致死性の経過をたどることから,拡大新生児マススクリーニングによる早期診断に期待が寄せられている。
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