病気のはなし
糖原病Ⅱ型(ポンペ病,ライソゾーム病)
衞藤 義勝
1
1東京慈恵会医科大学遺伝病研究講座
pp.588-594
発行日 2010年8月1日
Published Date 2010/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102848
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サマリー
ポンペ病(Pompe disease)は1932年ポンペにより報告された1)ライソゾーム病の一つであり,酸性α-グルコシダーゼ(acid alpha glucosidase,GAA)の遺伝的酵素欠損により発症する.臨床的には乳児型と小児・成人型(遅発型)に分類される.乳児型は乳児期早期に心拡大,心不全で2歳までに死亡する.遅発型では筋力低下,歩行障害,呼吸障害を呈し,最後は呼吸不全で死亡する重篤な疾患である.遺伝形式は常染色体劣性遺伝形式をとる.酵素補充療法が開発され,早期治療により症状の悪化を予防できる.ただし,酵素に対する抗体産生は治療効果を減弱することから,抗体に対する治療も試みられている2).
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