臨床経験
妊娠高血圧症候群合併妊婦における硫酸マグネシウム使用による出血量の検討
入江 惇太
1
,
布出 実紗
1
,
大門 篤史
1
,
永昜 洋子
1
,
藤田 太輔
1
,
大道 正英
1
A. Irie
1
,
M. Nunode
1
,
A. Daimon
1
,
Y. Nagayasu
1
,
D. Fujita
1
,
M. Ohmichi
1
1大阪医科薬科大学産婦人科学教室
pp.611-615
発行日 2024年6月1日
Published Date 2024/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002989
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
妊娠高血圧症候群(HDP)は全妊娠の約7%に生じる妊娠合併症であり,重症例に対して子癇発作予防に硫酸マグネシウム(MgSO4)製剤の使用が推奨されている。一方で,MgSO4製剤は子宮収縮抑制作用も知られており,分娩時のMgSO4製剤使用による出血量の増加が懸念される。当院で経腟分娩となった単胎HDP合併妊婦72例を対象に,分娩時のMgSO4製剤使用の有無による出血量について検討した。HDP患者に対するMgSO4製剤の使用により分娩時出血量は有意な増加を認めず,有害事象の増加も認めなかった。このことからHDP妊婦へのMgSO4製剤の積極的な投与が検討される。
Copyright © 2024, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.