特集 出血と止血
I.総論
2.出血及び止血の測定法
a.出血量の測定
加藤 勝治
1
,
近藤 正
1
1東京医大第二生理(血液)学教室
pp.283-285
発行日 1961年4月20日
Published Date 1961/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202645
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I.はじめに
出血量を測定することは臨床上かくべからざることであるが,従来この観察は一般に広く認識されていないし,亦実際の重要性も充分に強調されていない憾がある。
手術時出血量の直接測定法としていくつかあるが,最初Gatch and Little(1924)が報告した手術に伴なう出血量を測定する方法は酸ヘマチン法であつて,その後簡単に重量を測定する方法も用いられるようになつた。Coller等(1944)の観察によれば,出血量と手術前後患者血液のヘマトクリット,血色素量または血漿蛋白量との間には何らの関係も発見出来なかつた。それがため,結局比色法または重量法で出血量を直接測定するのが最も確実であると思われる。
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