臨床経験
45歳以上の超高齢妊娠における周産期予後についての検討
永昜 洋子
1
,
藤田 太輔
1
,
大門 篤史
1
,
布出 実紗
1
,
岡本 敦子
1
,
佐野 匠
1
,
鈴木 裕介
1
,
寺井 義人
1
,
大道 正英
1
Y. Nagayasu
1
,
D. Fujita
1
,
A. Daimon
1
,
M. Nunode
1
,
A. Okamoto
1
,
T. Sano
1
,
Y. Suzuki
1
,
Y. Terai
1
,
M. Ohmichi
1
1大阪医科大学産科・内分泌科
pp.335-340
発行日 2018年3月1日
Published Date 2018/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000377
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近年,女性のライフスタイルの変化や晩婚化に伴い,高齢妊娠が増加している。今回,われわれはハイリスクと考えられる45歳以上の高齢妊娠の転帰について後方視的に検討したので報告する。2014年1月~2017年2月に当院で分娩した20~44歳のコントロール群は1,280例であり(双胎妊娠42例含む),2004年4月~2017年2月に分娩した45歳以上の超高齢群は12例(双胎妊娠1例含む)であった。妊娠高血圧症候群,HELLP症候群,播種性血管内凝固症候群(DIC),早産およびsmall for date(SGA)において,コントロール群より超高齢群のほうが有意に高かった。また,緊急帝王切開,胎児機能不全,妊娠糖尿病について,コントロール群より超高齢群で高い傾向があった。超高齢群では妊娠高血圧症候群のリスクが高く,それに伴って,HELLP症候群やDICの母体合併症が多くなり,また早産やSGAが増えるといった新生児のリスクも上昇すると考えられた。45歳以上の超高齢妊娠症例では,ハイリスクであることを認識し,高次機能病院での慎重な管理をすることが必要である。
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