臨床経験
広汎子宮頸部摘出術における術中迅速病理診断の診断精度の検討―当院での327例の経験―
松田 理沙
1
,
西尾 浩
1
,
上野 彰久
2
,
山上 亘
1
R. Matsuda
1
,
H. Nishio
1
,
A. Ueno
2
,
W. Yamagami
1
1慶應義塾大学医学部産婦人科学教室
2同 病理学教室
pp.291-297
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002897
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本研究では腹式広汎子宮頸部摘出術(Radical abdominal trachelectomy;RAT)における術中迅速病理診断の診断精度を検証した。当院では過去約20年間に早期子宮頸癌327例に対しRATを計画し,術中に切除断端が陰性かつリンパ節転移がないことを確認した297例に対してRATを施行した。切除断端は全例で術中迅速病理診断を行い,偽陰性症例を4例認めた。また術中に肉眼的腫大を認めた193例でリンパ節生検を行い,偽陰性症例が1例存在した。切除断端とリンパ節生検の術中迅速病理診断の感度はそれぞれ80%および91%であった。また最終病理診断で骨盤リンパ節転移を19例(6%)で認めたが,そのうち術中に腫大リンパ節の生検で検出されたのは9例(47%)であった。RATにおける術中迅速病理診断の診断精度は良好であり,適応の判断に有用である。
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