今月の臨床 子宮頸癌─予防と妊孕性温存のための治療戦略
妊孕性温存のための治療戦略
6.広汎子宮頸部摘出術後妊娠の妊娠・分娩の管理
峰岸 一宏
1
,
藤井 多久磨
1
,
田中 守
1
,
西尾 浩
1
,
青木 大輔
1
1慶應義塾大学医学部産婦人科学教室
pp.1260-1265
発行日 2011年10月10日
Published Date 2011/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102810
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近年,初期の浸潤子宮頸癌に対する妊孕性温存術式として広汎子宮頸部摘出術(radical trachelectomy : RT)の報告がなされてきている.本術式の腫瘍学的予後や術後の妊娠・出産に関しては,適応基準を遵守した症例選択と術式施行により,良好な治療成績を保つ可能性は十分にある.しかしながら,本術式は単なる浸潤子宮頸癌に対する縮小手術としての側面のみならず,術後の妊孕性と生殖医療,妊娠・分娩管理を含めた多様な側面からの評価アプローチが必要である.
本稿では,本手術後に妊娠に至った14例のうち生児を得た12例の自験例を踏まえ,その妊娠・分娩の管理について概説する.
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