特集 帝王切開のネガティブ・インパクトの克服と新たな取り組み
I.帝王切開のネガティブ・インパクトの克服
3.子宮内異常血流(子宮動静脈奇形・子宮動脈仮性動脈瘤)
和田 善光
1
,
高橋 宏典
1
Y. Wada
1
,
H. Takahashi
1
1自治医科大学産科婦人科学講座
pp.215-219
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002886
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子宮動静脈奇形は子宮筋層の異常な動静脈短絡である。後天性のものは子宮内容除去術や帝王切開などに伴い発生する。Retained products of conception(RPOC)やEnhanced myometrial vascularity(EMV)とも関連しており,近年注目を集めている。血管造影により診断するが,実臨床上はドプラエコーで子宮筋層内の血流増加所見で診断することが多い。多量出血を起こすことがあり,子宮動脈塞栓術や子宮全摘術を要しうるため妊孕性の観点からも問題である。子宮動脈仮性動脈瘤は,子宮動脈壁が損傷し,出血後に周囲組織により被覆され形成される。典型的には帝王切開後に発生する。ドプラエコーで拍動性の子宮内血流を示す。出血が多い場合は子宮動脈塞栓術が必要になる。
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