特集 帝王切開のネガティブ・インパクトの克服と新たな取り組み
I.帝王切開のネガティブ・インパクトの克服
4.RPOCの診断と管理
柴田 英治
1
E. Shibata
1
1獨協医科大学産科婦人科
pp.221-229
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002887
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RPOCとは妊娠帰結後の子宮内妊娠組織遺残物の総称で,主要な構成要素は胎盤である。RPOCは重篤な分娩後異常出血の原因となるが,明確な診断基準や管理・治療方法は示されていない。臨床的RPOC診断は,カラードプラ法を用いた超音波検査が有用であるが,リスク因子の有無,分娩状況や分娩後異常出血の開始時期などの臨床経過も考慮し,慎重に診断されるべきである。RPOCの治療法は様々な方法が示されているが,RPOC画像所見,重篤な分娩後異常出血を起こすリスク因子,患者の挙児希望の有無などの意向,大量出血時の緊急医療体制などを考慮して適切な治療法を選択することが求められる。
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