症例
異なる転帰をとった妊娠期梅毒の2症例
古園 希
1
,
田代 英史
1
N. Furusono
1
,
H. Tashiro
1
1県民健康プラザ鹿屋医療センター
pp.183-187
発行日 2024年2月1日
Published Date 2024/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002868
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異なる転帰をとった妊娠期梅毒の2症例を経験したので報告する。
【症例1】32歳,2妊1産。妊娠初期検査で梅毒血性反応が陽性であり,当科紹介となった。第2期顕性梅毒と診断し,妊娠15週に持続性ペニシリン製剤で治療を行った。妊娠39週に自然陣痛発来し,前方後頭位分娩に至った。母児ともに全身状態良好であり,退院した。
【症例2】26歳,6妊2産。妊娠23週に初診し,社会的理由で当科紹介となった。妊娠初期検査は特記なく,妊娠37週に自然陣痛発来したが,胎児機能不全の診断で緊急帝王切開分娩に至った。児は新生児仮死,敗血症・DIC,肝障害の診断で小児科入院となり,肝障害精査の結果,先天梅毒と診断された。その後,母体は第2期顕性梅毒と診断した。
先天梅毒は妊娠中の治療で垂直感染を予防可能な疾患であり,妊娠期梅毒の見逃しを防ぐべく,妊娠期梅毒ハイリスクと考えられる妊婦には妊娠後期の梅毒検査も考慮すべきである。
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