診療
卵子の成熟と過熟が体外受精の成績に与える影響
堤 亮
1
,
渡邉 英明
1
,
許山 浩司
1
,
森山 梓
1
,
保母 るつ子
1
,
杉山 里英
1
,
栗林 靖
1
,
黒田 恵司
1
,
杉山 力一
1
,
堤 治
2
R. Tsutsumi
1
,
H. Watanabe
1
,
K. Motoyama
1
,
A. Moriyama
1
,
R. Hobo
1
,
E. Sugiyama
1
,
Y. Kuribayashi
1
,
K. Kuroda
1
,
R. Sugiyama
1
,
O. Tsutsumi
2
1杉山産婦人科丸の内
2医療法人財団順和会山王病院リプロダクション・婦人科内視鏡治療部門
pp.929-936
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002673
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
卵胞刺激ホルモン(FSH)により卵胞が発育する過程で,顆粒膜細胞は卵胞膜を裏打ちする顆粒膜細胞と卵子を覆う卵丘細胞に分化する。卵子は卵丘細胞と複合体を形成し,Cumulus oocyte complex(COC)として評価され,卵丘細胞の凝縮・断片化は過熟の徴候と考えられる。当院の検討で,COCの過熟は早期黄体化と関連していることが示され,同時にCOCの過熟により卵子の受精能・胚発育能が低下することが確認された。排卵誘発法により過熟の頻度が異なることより,プロゲステロン上昇に注意を払った排卵誘発法の適切な選択・使用が体外受精の成績向上に必要である。
Copyright © 2023, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.