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高齢者の精子と先天性疾患とは関係しない
-―60歳以上の高齢者からの提供精子により出生した229人の子どもから―
根津 八紘
1
,
保科 洋美
1
,
吉川 文彦
1
Y. Netsu
1
,
H. Hoshina
1
,
F. Yoshikawa
1
1諏訪マタニティークリニック
pp.923-928
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002672
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無精子症,卵巣不全症,子宮欠損症は,生殖障碍者であり,扶助生殖医療(配偶子の提供や代理出産)にて,当然サポートされなければならない人達である。なかでも無精子症に関しては,利害関係のない夫の実父が最も相応しいと考え,筆者は1996年以来,主として夫の実父からの提供を受け扶助生殖医療を行ってきた。結果的に216組から354人の子どもが誕生,うち60歳以上の提供者から229人の子どもが誕生し,先天性疾患児は8例3%,また60歳未満からは125人の子どもで先天性疾患児は5例4%であった。いずれの率も一般的出産児と変わりなく,特に今回のデータからは高齢者からの提供精子により誕生した先天性疾患児への影響はみられなかった。
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