臨床経験
当地域における12年間の墜落分娩についての検討
石田 久美子
1
,
大石 由利子
1
,
今田 冴紀
1
,
石川 雄大
1
,
野澤 明美
1
K. Ishida
1
,
Y. Oishi
1
,
S. Imada
1
,
Y. Ishikawa
1
,
A. Nozawa
1
1名寄市立総合病院産婦人科
pp.631-636
発行日 2023年6月1日
Published Date 2023/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002586
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北海道道北地域は高度に分娩集約されており,当科に通院する妊産婦は自家用車で1時間以上の移動を要することも少なくない。2010年1月~2021年9月に当院で経験した墜落分娩について後方視的に検討した。総分娩は4,558例,墜落分娩は14例で発生率は0.31%であった。妊産婦の居住地ごとに4群に分けた墜落分娩の発生率は市内群0.24%,近郊群0.26%,遠方群0.40%,超遠方群0.67%と当院までの距離が遠くなるにしたがって増加を認めた。分娩集約が進む海外の既報と矛盾せず,医療圏の拡大が墜落分娩の原因の1つと考えた。しかし市内・近郊群でも墜落分娩は発生しており,すべての妊婦・家族に対して情報提供を行うこと,また初期対応を担う救急救命士などへの周産期救急教育が重要である。
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