診療
慢性子宮内膜炎診断と治療方針の変遷
-―ART反復着床不全における検討―
野見山 真理
1
M. Nomiyama
1
1医療法人社団高邦会高木病院(副院長・産婦人科部長)
pp.617-624
発行日 2023年6月1日
Published Date 2023/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002584
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当科では不妊不育症患者に対して,慢性子宮内膜炎(CE)診断のために,増殖期に子宮鏡下生検および子宮内膜組織のCD138免疫組織化学的検査を実施している。抗菌薬使用を最小限とする目的で,基準値が統一されていないCD138陽性形質細胞数のカットオフ値を≧20個/20hpfまで段階的に引き上げてきた。さらに,形質細胞がカットオフ値以下に減少せずとも子宮鏡所見が軽快すれば治療終了とした。子宮腔内器質的疾患を除外した反復着床不全において,現時点では妊娠成績は低下することなく抗菌薬使用を削減できている。当科のCE診断および治療方針の変遷について解説する。
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