特集 各種診療ガイドラインにみる挙児希望女性の合併症・併存疾患の取り扱い―プレコンセプションから妊娠・出産まで―
3.血液疾患・血栓性素因
安達 知子
1
T. Adachi
1
1恩賜財団母子愛育会総合母子保健センター愛育病院(名誉院長)
pp.347-355
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002515
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血液疾患は,母体死亡の主要原因である大出血と血栓塞栓症のリスクを上昇させ,新生児に対しても健康障害を起こす可能性が高い。診断時期が妊娠以前であるのか,あるいは以降であるのかの2つに大別してその管理を概説した。また,血液疾患として生殖年齢の女性にも合併しやすく重篤な状況を惹起する白血病や特発性血小板減少性紫斑病,出血リスクが見過ごされやすい比較的頻度の高い血友病保因者やvon Willebrand病,妊娠・産褥期の予防的管理が重要である遺伝性トロンボフィリアに加えて,頻度は低いながら重篤でかつ近年治療法が目覚ましく進歩してきた発作性夜間ヘモグロビン尿症について,ガイドラインなどを踏まえた妊産婦管理を中心に解説を行った。
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